1950年代を代表するアイドルと言えば、江利チエミ・雪村いずみ・伊東ゆかりのいわゆる三人娘たちです。
まだ、日本にアイドルが誕生して間もない黎明期において、この3人の活躍が次の世代のアイドルへ与えた影響は大きいと言えます。三人娘のなかで、もっとも踊りがうまいとされていたのが、江利チエミです。テネシーワルツのヒットで知られる彼女は、ジャズやカントリーからクラシックまでこなす歌唱力の高さが有名です。
しかし、ミュージカル映画や舞台では、ダンスの上手さに魅了される観客も多かったといいます。彼女は1960年代以降になると舞台に活躍の場を移し、「マイ・フェア・レディ」など数々のブロードウェイミュージカルの主役をつとめます。
彼女がもっとも輝いていたのは、歌って踊ることができるミュージカルの舞台だったことは間違いないでしょう。