青春時代が1970年代だった人にとっての、もっとも輝いていたアイドル、そしてアイドルという概念を変えた人物は山口百恵さんです。それまでのアイドルはフリフリの衣装を着て、笑顔を絶やさないイメージが強く、同期の桜田淳子さんはその代表格でもあります。
山口百恵さんのデビュー曲は「としごろ」というポップで明るい感じの曲でしたが、所属していたレコード会社であるCBSソニーは、この曲で思ったほどのセールスが伸ばせなかったため、第二弾に「青い果実」という大胆な曲を提供しました。
「あなたが望むなら、わたし何をされてもいいわ」14歳の少女が一点をじっと見つめ無表情で歌ったこの曲はヒットし、山口百恵という存在を世に知らしめました。それ以降、山口百恵さんには、笑わないアイドルという付箋がつけられました。今でいうならツンデレ系アイドルです。「ひと夏の経験」では「あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ」とショッキングな歌詞をさらっと歌い上げ、「女の子の一番大切なものって何ですか?」とメディアが尋ねると「真心です」と柔らかく答えていました。
山口百恵さんは、笑わないけれど1970年代もっとも輝いていたアイドルです。